2014-08-01から1日間の記事一覧

保育者の援助が孤立しないこと

さて、日々の子どもたちの具体的な問題が訴えられている場合でも、結局家庭と園との問題に相談の焦点が移行してゆかざるをえないことが間々あります。子どもの発達になんらかの障害が疑われるなどの場合を除いて、子どもの心的状況は、家庭環境に大きく左右…

発達促進的関わりのなかにある「癒し」

保育実践において心理臨床上の問題が発生したとき、保育者のな子べき仕事のー一つが、その子どもをめぐる援助体制を作ることです。家族が一番の協力者なわけですが、前述の1や2あるいは3などの場合には、その自覚をもってもらうこと、問題に気づいてもらう…

園-家庭・子ども-専門機関の連携

最後に専門相談療育機関や医療機関につながった場合は、幼稚園・保育園一家庭一専門機関の3者がしっかり連携していくことが必要です。子どもを取り巻く、子どもの療育に携わる人たち全員が、子どもの発達と家庭(保護者)の安定をどう援助していくかを考え…

保育者が「気づいたこと」を告げる前に考えるべきこと

ます、その子の保護者と保育者の問に保護者が家のことも話してくれるくらい、信頼関係が築かれていることがもっとも大切です。もちろん保護者が園の保育・教育内容を信頼されていて、園長とも気楽に話せるような雰囲気が園全体にあることも必要です。どんな…

保護者のつらい気持ち

保護者のつらい気持ち 年少組や年中組で入園してきた子どもたちも2か月もするとだいぶ園生活に慣れてきます。 5月の連休も終わって園生活も落ち着いてくると、保育者の先生方もほっと一息。「あれ、あの子、ちょっと変わっているね」「ぐるぐる回ってばか…

まわりの子どもたちへの対応

幼稚園・保育園の保育者のどの先生払障害のある子どもを、障害のない子どもたちがあたたかく仲間として受け入れてくれて、互いに助け合って育ってばしいと、統合保育の理念で願っています。けれど払現実の子どもの世界はなかなか教科書の理想通りにはいきま…

ことばの問題への対応

ことばの遅れなどのことばの問題は、1箴6か月健診から幼稚園・保育園に入っても、お母さんや保育者たちの大きな関心事で、どうことばの発達を促せばよいかという質問が多く聞かれます。 物の名前や、勣きのことばだけをやみくもに教えたり、あいさつを強制…

こだわりがある

砂場に行くとずっと一人で砂を無心にいじっている、水が大好きで、教室や廊下の蛇口に飛んでいって他の子どもたちがいろいろな活動をしていてもまったく眼中になく、ただひた子ら水を子で触りながら楽しんでいる、雨の後の圉庭にできた水たまりに足や手を入…

高い所に登ってしまう

保育園や幼稚園の窓の枠や机の上、ピアノの上などに平気で登ってしまう子どももよくいます。落ちてしまうのではないかと、保育者をはらはらさせますが、登っている子どもは恐怖をまったく見せ子楽しそうにしています。園庭ではジャングルジムや高い滑り台の…

自分の頭を叩いたり、手を噛んでしまう

自分の頭を叩いたり、壁や床に打ちつけたり、子や腕を噛んでしまうなどの行為は「自傷行動」と呼ばれ、さまざまな原因が考えられます。 前項の他児を叩いてしまう行動をとってしまう子どもに見られたように 自分の要求や気持ちが伝わらなくて、強く不満を感…

他児に暴力的になってしまう

自分の思いがに通じなかったり、のちょっとしたことが気に入らなかったりすると、すぐに子が出ての子どもを叩いてしまったり、噛み付いたり、に向かって物を投げたりすることがあります。 いくつかの要因が考えられます。 自閉症やその他の広汎性発達障害の…

パニックやかんしゃくへの対応

集団に参加できなかったり、自分のやっていることを止めることができない子どもの中には、少しでも強く集団活動へ参加することを促子と、泣きわめいてしまう子どももいます。また、その子どもが何か描いていたり、製作していたりしているときに、保育者が「…

こだわり(同一性の保持)

自閉症・広汎性発達障害の子どもは同一性保持という特徴的症状をもっています。自分かやりたいことをし続けてしまい、なかなか言われたことやしなければならないことに転換することがむずかしいことがあります。自分が納得するまでやって、それから次の行動…

保育現場での具体的対応

保育現場での相談で、「保護者への対応」の次に多いのが、「集団活動に参加できない」「行事に参加できない」「かんしゃくやパニックを起こしてしまう」「まわりの子どもたちへの理解はどう進めたらよいか」などです。 「気になる子どもたち」の「気になる行…

「言語性LD」

「言語性LD」とは、一般に視覚認知(主に絵や図形・記号などの理解・表出、・操作など)のよさに比べて、ことばに遅れが見られるような発達上の偏りがある場合に使われることが多いようです。具体的には、①ことばの理解と表出の遅れがとくに目立つ場合、②…

学習障害(LD : Learning Disabilities)

保育の現場で「知的匚は正常なのに どうもことばの理解が悪い」[うまくお話ができない]「とっても不器用でお絵かきが描けない」などの「ちょっと気になる子ども」が増えてきて、近年来「LD(学習障害)」ということばがよく聞かれるようになってきていま…

ADHD(注意欠陥)の発症年齢および発生率

ADHD(注意欠陥/多餘葭障害)の発症年齢および発生率について触れてみたいと思います。発症年齢は、7筬以前と診断基準(中根ら、 1994)ではされています。通常生後5年以内に生じますが、 3、4歳まではどの子どもで払少なから子多動の傾向がありますし…

精神医学的にいう気分(感情)障害

さらに衝動性とも関連しますが、しばしば思うようにいかないために腹を立てて怒るとか、他児率家族に暴力をふるったり、かんしゃくを起こすこともあります。大人に対しても、口論をしたり、反抗的な態度をとったりします。よくあるのは、親に対して[○○を買…

多動性(過活動)

(2)多動性(過活動) みんながおとなしくなにかやっているときに一人で突拍子もないおもしろいことを始めてしまう。みんながやっている活動が終わらないうちにその場を離れていってしまう。みんなが座っている状況で、すぐに席を離れてしまう。あるいは他…

ADHD(注意欠陥・多動性障害Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

幼稚園や保育園にいつも動き回っている子ども、一つのことに注意をしっかりかけて集中することができない子ども、忘れ物ばかりする子ども、先生の指示が聞けないけれど自分の好きなことには集中できる子どもなど、知的には問題がなさそうなのに行動が変な子…

アスペルガー症候群と高機能自閉症

アスベルガー症候群を自閉症と区別して考えた方がよいかどうかは議論となるところですが、現在の国際的な診断基準では自閉症とアスペルガー症候群を区別して診断することになっています。 アスペルガー症候群の自閉症との一番大きな違いは、[明らかな言語面…

痛覚、前庭感覚の異常

これ以外の感覚の異常としては、痛みに鈍感だったり(痛覚の異常)、ずっと長い間振動している台の上や回転し続けるハンモックの中に乗っていても平気だったり(前庭感覚の異常)、寒くても薄着をつらぬいたり、靴下をはかながったり、あるいは一度靴下をは…

聴覚や臭覚の情報処理の偏り

以前はたいていの症例では、精神遅滞をともない、遅滞の程度は中等度(IQ35~50)の場合が多く、およそ4人に3人の自閉症の子どもは知的な発達に遅れが認められるといわれていました。しかしながら最近の調査では、広い裾野をもつ病態であり、自閉症グループ…

興味関心や行動パターンの異常

同じことを繰り返したり、興味や関心に偏りがあったりせまかったりする 自閉症の3つ目の主な特徴として、いつも同じようにものごとが進んだりしていないと不安になりやすかったり、司じことを繰り返して何度でもやったりするという行動があります。しばしば…

言語・コミュニケーションの問題

言葉をしゃべったり、相手から言われたことを理解するのが苦手 自閉症の子どもでは、3歳までの生育歴で「ことばの遅れ」がほぼ全員に見られます。名前を呼んでも振り向かなかった、指さしがなかなか出なかった、1歳半子ぎても有意味なことばを一語も言わな…

自閉症

前項で簡単にふれました自閉症児の行動特徴について、「3つの領域の障害 (社会性・コミュニケーション・興味関心や行動パターンの異常)]を中心にして、説明していきたいと思います(内山・桑原、2000)。 (1)社会的相互交渉の問題一一一人とのやりと…

広汎性発達障害

広汎性発達障害(PDD ; Pervasive Developmental Disorder)は聞き慣れないことばかもしれませんが、保育の現場でよく見られる自閉症やその周辺の疾患のことをいいます。 ことばだけの遅れではなく、人とのやりとり(社会性)、そして基本的な生活習慣など…

ダウン症候群

幼稚園・保育園児の中にもかならずといっていいほど、ダウン症候群の子どもがいます。両方の目が離れていて、鼻が低く丸顔の独特な風貌で、ぽちゃぽちゃとした体つきで、にこにこ笑っている愛嬌のある子どもです。ダウン症候群は、染色体の異常一21番目の染…

基本的生活

必要に応じて畤折一時的に支援を提供すればよい程度です。たとえば、失業したり病気になったときなど何かの場合にのみ支援が必要となります。支援を一定の期間必要とする程度です。たとえば、期間限定の就労訓練や学生から社会人になるための移行のための支…

発達障害

前項の「障害とは」で「障害」に関する考え方を述べましたが、「肢体不自出」「視覚障害」「聴覚障害」などの「目に見える」障害とは異なり、これから述べる「精神遅滞」や「広汎性発達障害」「自閉症」「学習障害]などの「発達障害」は、外からみてなかなか「見えにく…