2014-08-23から1日間の記事一覧

遺伝子は誰のものか?

例えば、次のような話がある5)。カナダのトロント大学の遺伝学者ザーメルの率いる研究チームは力リフォルニアのスィークエナ・セラビューティック社から資金をもらって大西洋 に浮かぶトリスタン・ダ・クンハという小島にやってきた。なお、スィークエナ・…

バイオテク世紀がくるのか?

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のキャンパス内にアッカーマッスホールという大学生協みたいなところがある。そこの大きな本屋さんで、ジェレミー・リフキンの『ハイテク・ センテュUT』5)という本を見つけた。買おうとしてレジにもっていくと、40代…

NIHでのセクハラ講習会

「摩擦を恐れ、力を恐れ、物言わぬ」人間 1998年夏にアメリカ・NIH客員研究員として滞在したとき、研究を始めてすぐに引き受け手であるNIHの研究部長が対処したことが3つあった。 第1は、A4紙1枚にプリントされた10項目のルールである。 部長がいう…

独自の価値基準や倫理基準のない日本の科学界

ワシントンのアパートで、日曜日の朝に、ソフアにひっくり返ってテレビを見ている。ハクラク家のテレビは4つのチャンネルしか入らないが、そのうち3つが日本では見かけない番 組を放映している。5チャンネルでは大きな会場に大勢の人が椅子に腰かけている…

将来飛躍する科学技術とは

「空想科学小説みたいなバカげた話をバイオ研究にもちこむな」という、読者もいるかもしれない。そこで、権威のありそうな最新の本をさがしてきた。『今後20年間に科学 技術は人間生活をどう変えるか』という1997年出版の本である。298ページもの英…

奇想天外な科学研究

話が夢のない方向へ流れてしまった。若い研究者を鼓舞しなくてはイケナイ。ここで1つ、画期的な話をしよう。例えば「ヒトの精子をチンパンジーの卵子に受精させて、チンパンジ ーに生ませた子は、ヒトかチンパンジーか新しい生物種か?」。 こういう実験は…

研究はデータベースつくり?

空調のきいた快適な家に住み、食べ物は十分にあって、過酷な肉体労働はない。痛いとか苦しいという病気もおおむね治せる。社会問題(犯罪、不正、局地戦争など)はあるけれど 、日常生活のうえで「必要」なことは満たされている。これがおおもね、日本を含め…

チンパンジーとヒトの子をつくりますか?

ワシントンに点在するスミソニアン博物館は、どこも無料である。航空宇宙博物館、自然史博物館、国立美術館など、どれも世界のトップレベルのすばらしい博物館である そ の1二つにワシントン動物園がある。もちろん、ここも無料で入れる。しかも日本の上野…

アメリカで財布を拾う恐怖

NIHにいくためワシントンDC郊外の街の公道を歩いていて、財布を拾った。朝8時ごろである クルマはビュンビュン走っているが、歩いている人はほとんどいない公道だった。財布 からドル紙幣が顔を出していた。無視したほうがよかったかもしれないけど、手に取…

日本の大学教授の給料は安い

とは言ってみたものの、以上のデータはアメリカのデータだ。というわけで、日本のデータも少しだけ書いてみよう。ます、鷲田小弥太先生は以下のように言っておられる4)。 「はっきり言って、(大学教官の)給料は安い」 「大学教官の給与は20~30代が想…

研究者に対する世間の評価は低い

1996年のアメリカの世論調査によれば、科学技術で重要な発見・発明をした人を、アメリカ社会は適正に評価していない。まともに評価していると思ってるアメリカ人は22人 しかいない。一方、過小評価だと思ってる人は74%もいるのである。芸能界やスポーツ…