2014-08-25から1日間の記事一覧

分子生物学:癌研究

「癌研究はいよ変わりつつある。基本から変わりつつあるんだ。分子生物学や分子遺伝学がすすむにつれて、いままでと違った見方が出てきた。その中でも細胞周期(cell cycle)の動きが大きいと思う。細胞周期が遺伝子によってうよく調節されていることがわかっ…

アメリカに恩を返さない日本の研究者

クラモチさんに本当にお伺いしたいのは、バイオサイエンスについてだけど、参事官殿にとっては、個々のことより大局が大切である。クリントン大統領のお話、日本の科 学技術基本法のお話、科学技術庁が脳研究を推進するお話を伺った。けど、小市民小研究者の…

オーラルゲノムプロジェクト

「それから、オーラルゲノムプロジェクトもおもしろい。形態形成で最もインパクトが強いんは、ヒトの場合、顔や。顔の造りがどーたらこーたら、人はずいぷんと気にし はりますな。ところが、顔面の形態形成のメカニズムの研究は、いよまでほとんどやられてな…

研究室のヨシ・ヤマダ博士

最先端はチップ・テクノロジーやね 「最先端は, DNAの“チップ・テクノロジー”やね」マイクロアレーちゅうテクノロジーやね。遺伝子の発現パターンを一網打尽につかまえて、いっぺんに解析してしまうテ クノロジーや。例えば、癌細胞と正常細胞の全部のmRNAの…

物理出身のバイオ研究者

「どんなことでもいいですか」、と最近のバイオサイエンスの動向を聞いてみた。 大きな耳をさらに大きくさせて、「最近ますますNIHが住みにくくなってきた。せちがらくなった これはNIHの外の世間一般がせちがらくなったせいで、その影響だと思 うけど。例…

分子生物学

「そりゃ、モレキュラー・バイオロジーでしよ」とズバリ一言 この人が20代の大学院生だったころから知っている。そのころから個性的な人である。ます顔が大きい。そして、眼がギョロリとしている。耳が大きい。何となく牛に似てい て、昔のあだ名はキュー…

日本人なら日本を愛するのは当然でしょう

「研究者の人生観にも最近コ可か変化はありますか?」、と聞いてみた。 「ワタクシは、団塊の世代と若い人の間の“はざかい期"世代です、団塊の世代は、 日本の高度成長を支え、世界に負けない日本の科学体制をつくろうと、アメリカに ポスドクとして学びにきま…

医局はヤクザの“組”

「アメリカの研究者社会で最近何か変化を感じることがありますかワ」、と伺った。 「正確さは6~7割ですが、ビル・クリントンはNIHをしめっけようとしてます。いままで生物医学研究に莫大な投資をしてきましたけど、その見返りが少なすぎよした。例 えば厂‘癌…

プロテオグリカンの分子生物学,医学部病理学出身、

30代後半男性 神経科学がいいようです 「やりたいことがあっても、技術がなければ、研究はできません。日本にいたとき、ワタクシは分子生物学を十分学んでいなかったので、研究の視野が狭くなっていまし た。それで、技術をたくさん習得しようと思ってアメリ…

「アメリカに家を買うと日本に帰れる」というジンクス

「本当はネー、日本に帰りたかったんですよ」、と野水さんはおっしゃる。 「NIHには8年ルールというのがあって、8年たったら、NIHテニュア(NIHの終身在職権)をとってNIHに残るか、そうじゃなければ出ていかなきゃならないんです。NIHテニュ アをとろうとした…

コンビナトリアル・ケミストリー

野水さんの研究分野は有機化学のペプチド化学である。 「現在の私の研究どんどんバイオロジーに向かっています。化学物質そのものの研究から、化学物質を感じる動物細胞表面のレセプター、細胞表面のレセプターから細胞内シ グナル、細胞内シグナルから核、と…

NIHのカラオケ大会

「私はソーシャルワーカーですよJ NH30号館4階の図書室で友人を待っていたら、初対面の野水基義さんが話しかけてきた。小太りで二コニコした気のよさそうな人である。あごのあたりに少し無精ヒゲをは やしている。 「NIHにいる日本人研究者の一番大きな団体…

成功したいなら1週間に70~80時間働く

スーザン夫人が炒めてくれた大きなエビを食べながら、「どんな調査研究をしているの?」、とケンが聞く。 「ウ~ン」自分でもまだよくつかめていない。そのころは暗中模索だったのである。 話題がポスドクの研究姿勢に移っていった。 「そういえば、あるころから…

ポスドクの年収

ケンの住むベセスダはワシントンD.C.の中心から地下鉄で30分ぐらいのところにある 日本でいえば、杉並区あたりに住んでいることになる。東京とはどえらい差である。 ワシントンDC郊外は驚くほど緑が多い。野生動物もまだまだたくさん棲んでいるのだ。 室…

バイオ研究の倫理

実験動物を使わざるをえない状況の「バイオ」研究者と大学院生、そして、動物実習で解剖をしたりさせられたりする学部生は、動物実験をどう思っているのであろうか。動 物実験の倫理についての教育を一切受けてこなかった。それで、どう対処していいかわから…

実験動物の無益な殺生

大学院生のとき筋肉タンパク質を必要とした折りに、指導教官の指示に従って、生きたウサギを暴れないように押さえつけ、大きな包丁で断頭し、新鮮な筋肉を取り出したこ とがある。精神的にはかなりのストレスであった。その後、教官として学生を指導する立場…

英文論文の大半は一度も引用されない

いままで主に物理学者の唱える研究倫理についてふれてきたが、「バイオ」の研究倫理でも実はかなり深刻な問題が表明されている。[バイオ]の実験研究をする際の 倫理について最近いくつもの著書が出版された。 しかし、全体を論じることはしないで、身近な…

科学者にも責任がある

宇宙物理学者の池内了(名古屋大学教授)は科学研究者の倫理観に鋭敏なセンスをもっている。 池内は、阪神・淡路大震災で5500人以上の死者が出たその「結果責任」は、地震学者、都市工学者などにもあるとしている 地震学者は、「関西には地震が起こらな…