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短波のゴールデンアワー

 

 10時台も私にとっては短波のゴールデンアワー。 10時はベルンからのスイス国際放送(SRI)の東南アジア向け英語番組の開始時刻である。周波数は7480kHz。局の標識となるインターバルシグナルでは、オノレゴールによるスイス民謡の一節が流されるので、確認は容易にできる。近年は北京中継のために音質が大幅に改善されて、日本短波放送なみの音声で受信できるのはありがたい。局名のアナウンスぱYou are tuned to SwissRadio International.”(お聞きの放送はスイス国際放送です)などとでる。

 前半15分の“Dateline"(日付け変更線)は、随時インタビューを組みこんだ報道番組、後半ばスイス事情を伝える親しみやすい構成で日本にも熱心なファンが多い。澄んだ深みのあるアナウンス、のびやかなアノレパインミュージックなど、1日の疲れをいやすにたる充実した30分だ。

 10時半からスイス国際放送はフランス語に変わるが、われわれはアノレプスを越えてお隣りのオーストリアへ。ウィーンから送られるORF(オーストリア放送協会)の英語放送が15450kHzで受信できる。番組開始前のインタ-バルシグナルにヨハン・シュトラウスの『美しき青きドナウ』の数ノjヽ節が流されたあと、浮き上がってくるのは、“This is Radio Austria International.”(こちらはオーストリア国際放送です)というアナウンスメント。毎年恒例の「ニューイヤー・コンサート」を世界に中継するORFのウィーン気質あふれる放送は聞きのがせない。

 30分の英語番組“Report from Austria” (オーストリアからの報告)では、ニュース、解説、そしてオーストリア各地の紹介とつづくが、その合間にウィーンの天候や気温のアナウンスが聞けるのも、ファンにとってはうれしいものだ。音楽やワインの話題が多いのもお国がらなのであろう。ウィーン直送の電波ながら、とくに夏場は高感度に受信できる。ウィンナワルツのしらべで幕を閉じる放送を一度耳にすると、だれしもORFのとりこになってしまう。

 上にご紹介したのは「2時間の電波の旅」。お好みならば、長期滞在型ももちろん可能である。BBC放送を例にとってみよう。早朝から深夜までシンガポール中継および香港中継の電波がキャッチできるが、とくに正午(ただし、土、日曜日は午前10時)から夜7時半までの香港中継21715kHzは好調で、季節によっては同調を示すメーターの針が振り切れるほど感度が高い。ニュースの前に流されるピッグベンの鐘の音も、初秋のころなどは大気をふるわせてひびく音色が耳に残るほどである。最近では国内の有線放送でBBCが24時間受信できるが、短波放送でじゅうぶんだ。暇をみつけて、長時間の「ヒアリングマラソン」に参加してみよう。

『英語表現を磨く』豊田昌倫著より