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痛覚、前庭感覚の異常

 これ以外の感覚の異常としては、痛みに鈍感だったり(痛覚の異常)、ずっと長い間振動している台の上や回転し続けるハンモックの中に乗っていても平気だったり(前庭感覚の異常)、寒くても薄着をつらぬいたり、靴下をはかながったり、あるいは一度靴下をはくことをおぼえると子っとはいていたり(温冷感覚の異常)などの、体性感覚の偏りや異常が見られることもしばしばあります。

 最後に自閉症の頻度についてふれますが、自閉症の発生率は、男子で女子の4~5倍高いといわれています。発生頻度は1万人に2~5人とされていましたが、近年[!980年以降]ま、1万人に10人以上という報告が多くなり、 1990年代後半には1万人当たり20人を越える報告が出されるにいたっています。そして最近の報告では男女比も2:1程度に接近してきてい
ます。

 以前はたいていの症例では、精神遅滞をともない、遅滞の程度は中等度(IQ35~50)の場合が多く、およそ4人に3人の自閉症の子どもは知的な発達に遅れが認められるといわれていました。しかしながら最近の調査では、広い裾野をもつ病態であり、自閉症グループ(自閉症スペクトラム)は100人に1人近くもいる(Wing、 1996)ことがわかってきました。また知的障害をもたないものの割合も4~5割近くに達する(本田、 1998)という報告も出てきています。

 脳波異常は、たとえ発作がなくても認められることが多いようです。 4人に1人は(青年期までの間に)てんかん発作が生じるともいわれています。てんかん発作をはじめて起こす年齢は就学前に小さなピークがあり、思春期前後に大きなピークがあるといわれています。

 このように自閉症児はさますまな行動の特徴を見せ、脳波異常も多く認められますので、発達障害を専門とする児童精神科医の診断を早期に受けることが必要です。そして、その子どもにもっとも適した家庭での養育法と幼稚園・保育園での教育について、医師をけじめ心理、言語の専門家のアドバイスを参考にしてきめ細かく対応していくことが重要です。

『保育に生かす心理臨床』より