自分の頭を叩いたり、手を噛んでしまう

 

 自分の頭を叩いたり、壁や床に打ちつけたり、子や腕を噛んでしまうなどの行為は「自傷行動」と呼ばれ、さまざまな原因が考えられます。

 前項の他児を叩いてしまう行動をとってしまう子どもに見られたように 自分の要求や気持ちが伝わらなくて、強く不満を感じている場合があります。また、まわりの大人たちの注目をひきたくて、このような行動に出てしまうこともあります。遊びや人との関わりに楽しみが感じられ子に、刺激が不足していて自分で自分を刺激世子にはいられないことも、症状の重い自閉症児にみられることがあります。また、感覚障害があり、触覚や痛覚が異常に鈍くて、強く頭などを打ちつけたりすることが快感を引き起こす場合もあります。また、家庭ではこのような白傷行為が見られず、保育園や幼稚園でのみ見られる場合もあり、またその反対もあります。子どもをよく観察して、その自傷行為はどのようなことのあらわれなのか、削易行為で何を訴えたいのかなどを考え、その子どもを囲む環境を改善してみることが必要です。子どもが遊びに興味がなかったり、自分から遊びを見いだせない場合は、大人が積極的に関わりをもって遊ぼうとする姿勢が必要です。ただ「してはいけません」と叱るのではなく、子どもの手をとって手遊びをしたり、体を振り回寸ような「飛行機遊び」「肩車」[ぐるぐる回り]など大きく体を使う遊びをしたり、[水遊び]「ちぎり紙」[砂遊び]「粘土遊び」などを保育者や保護者が積極的に楽しんでいっしょに遊ぶことが、自傷行為を止めさせることにつながります。