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保護者のつらい気持ち

 

保護者のつらい気持ち

 年少組や年中組で入園してきた子どもたちも2か月もするとだいぶ園生活に慣れてきます。 5月の連休も終わって園生活も落ち着いてくると、保育者の先生方もほっと一息。「あれ、あの子、ちょっと変わっているね」「ぐるぐる回ってばかりいて、何か気になるわ」「お友だちの中に入らないで、一人で遊ぶことが多いわ」などなど、「気になる子ども」の行動が目についてきます。そして秋。夏休みが終わってすぐに始まった運動会の練習で、もっとその「気になる行動」が目立ってきます。運動会直前の1週間「気になる行動」から「困った行動」が多くなってきました。先生がちょっと注意しただけで大パニック。泣く、叫ぶ、まわりの先生にぶつかっていくなどの大騒ぎ。他の子どもにも叩いたり蹴ったり。ついに朝、家でも泣いて登圉を嫌がるようになってきました。担任の先生は他のクラスの先生や、主任の先生、副園長、園長に相談しました。「お母さんは、子どものちょっと変な行動に気がついているかしら」「お話したらお母さん、ショックをうけるかしら」などなど子どものよう手を検討すると同時にお母さんの気持ちまでも話し合いました。その結果、やはり「運動会が終わったら、専門の相談機関や医者に行って診てもらうよう、お母さんとお父さんに話してみる」という結論になりました。このように保護者に「何か変だ」ということを知らせるのは、保育者にとっても決断のいる大変なことです。

 保育園や幼稚園で問題を指摘されて、相談機関を訪れる保護者の方がたも最近増えてきました。それだけ、保育者の先生たちが、子どもをしっかり見て観察し、問題を発見するカー“見る目の確かさど保育感覚の確かさをつけてきているともいえます。

 ここで、まだ子どもの障害について検査や診断・評価を受けていない、専門機関につなかっていない子どもの保護者に、園での[気になること]を伝えるときの保護者への対応を考えてみましょう。

 「あのお母さん、私か園での子どものよう手を話し始めると、すぐに話題をそらしてしまって聞こうとしないのです。全然感じていないのでしょうか。お母さんにきちんと子どもの状態を理解していただいたほうがよいのだけれど、どう話したらよいでしょうか]

 保育園や幼稚園の研修会で保育者から一番困っていることとして、よく筆者が相談を受けるのはこの問題です。生まれてから毎口毎口、24時間体制で保護者、とくにお母さんは子どもを見て育てています。上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合は、その子の発達を上の子と比較することもあります。また、はじめての子どもでも公園デビューをする頃になるとお母さんは自然と他の子どもと比較しているものです。保育者が何かおかしいな、変だな、と思うことは、保護者も気がついているは子です。保育参観があれば、なおさらのこと、子どもの他の子どもと違ったよう手を見てわかっているは寸です。だからこそ、保育者が園のよう手を話そうとすると話題を変えたり聞こうとしなくなるのです。気持ちの中では[正常に健康に育ってはしい]という思いが強くて、何かおかしいと感じていてもなかなか現実の子どもの姿を直視することは怖くてできない保護者もいるのです。心配で心配でしかたがないというようなお母さんは、1歳6か月児健診、3歳児健診で自分から保健婦や医者に相談するものです。

 先に述べたように保育者が保護者に子どもが「何か変だ」と気づいたことを伝えるのには決断と勇気がいります。また逆に保護者が子どもの「変なこと」=「障害」または「障害であるかもしれない可能性」を認めるにも、もっと大変な覚悟と勇気がいるのです。「正常に健康に育っていてばしい」とどの保護者・親はいつも願っているのですから、認めたくないのも当然です。その気持ちは私たちの相談室のドアをはじめて開けたときの保護者たちの表情を見ればわかります。緊張と不安が噴出するばかりに張りつめて囚くなっていらっしゃいます。ですから、保育者が「気がついたこと」をそのまま保護者に伝えることが、よいというわけではありません。「気がついたこと」を告げることで、保護者は「うちの子は圉では厄介者なんだわ」「圉をやめさせられるかもしれない」とい仏巴いをもってしまうこともあります。