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保育者が「気づいたこと」を告げる前に考えるべきこと

 

 ます、その子の保護者と保育者の問に保護者が家のことも話してくれるくらい、信頼関係が築かれていることがもっとも大切です。もちろん保護者が園の保育・教育内容を信頼されていて、園長とも気楽に話せるような雰囲気が園全体にあることも必要です。どんなことを言われても[うちの子は先生に大事にされている、好かれている]という気持ちを保護者がもっていることが必要です。これが最初の前提条件です。

 第2にその保護者(お母さん)が一人です育てに孤軍奮戦しているのではなく、お父さんや実家のおばあちゃんたちの精神的な支えもあることも必要です。つまり問題を伝えた場合にお母さんが動揺しますので、その動揺にお母さんが耐えられること、またその動揺を支えてくれるまわりの環境があるかどうかも配慮する必要があります。

 第3に、検査・診断・評価を受けるということは、単に[あなたのお子さんは自閉症です]「精神遅滞です」という診断名を告知されることではありません。子どもの「得意なところ」「苦子なところ」などの現実の状態像をしっかり理解し、今後子どものニーズに合わせて、どう養育していったらよいか、また日常生活の中で具体的にどう配慮して育てていけばよいかを知ることです。保護者が障害のある子どものあるがままを受け入れることは保護者にとって容易なことではありません。けれど仏子どもの障害を正しく理解することで、適切な対応を知ることができ、多くの有益な情報を得ることもできます。

 ですから、相談から、検査、そして、その後の養育方法までしっかり相談にのってくれ、療育指導につなげてくれる小児神経科や児童構神科の医師あるいは専門機関を調べて紹介することが必要です。けれども、もしそのような専門機関がない場合、また、保護者が問題を受け入れられそうにない場合は、その[気になる行動]を告げることに慎重でなければなりません。

 3 実際に保護者との話を進める際の留意点

 保護者との面談は担任の先生だけではなく、主任や園長先生にも同席してもらう方がよいでしょう。

 まず、決して保護者を責めないことが重要です。「保育しにくい子ども」「どう保育したらよいか困っている子ども」について、保育者はともすれば、保護者のせいにしがちです。「家庭でのしつけが悪い」[家庭環境の問題だ]などと思いがちです。上記で述べたように、保護者は子どもが生まれてからずっと現在にいたるまで、「何か育てにくい子どもだ」と思いながら育ててきています。時には自分自身を責めることもあったでしょう。発達障害は脳の機能障害ですから、保護者の育て方が原因ではありません。保護者も発達障害のある子どもを、どう育ててよいかわからなかったのです。

 保育者が保護者と協力したい、支援したいという気持ちをもち、親切で思いやりのある態度で面談を進め、不適切な言葉に注意します。専門用語は避けて日常のわかりやすいことばを使用し、子どもの園での様手を話子場合も、問題になる点ばかりを強調するのではなく、よい点もかならず話子よう心がけます。[OOちゃんは……むずかしいですが、……をするときは笑顔でとりくみま子ね]などと。家庭でのようすを聞くときは、[園での保育に参考にしたいので、ちょっと聞かせてください]「家庭で行っているよい方法があれば教えてください」という態度で保護者に聞くとよいと思います。

 家庭と保育園・幼稚園が、子どもが園生活を楽しく送れるように連携して協力し合うことが大切です。