ロジックとはreasoningのことである。 reasoningには,帰納(induction)と演繹(deduclion)の2通りがある。

 前者で最も知られているのは, 1941年,アメリカが日本に対し宣戦布告するための,ルーズベルト大統領の議会でのスピーチである。

hyPothesisと,問題解決の糸口となるためのexplanatory hypothesis の2つがある。後者はtheoryとも呼ばれ,コロンボがホシをあげる時によく使う。

 ドアに向って歩き出したコロンボくるりと振り返り,“l have an interesting theoryグ(ちょっとおもしろい仮定の話があるんですが)と意表を突く。

 a theory (仮定の話)だから,犯人の方でも「あんたがやったに違いない」と断定されることはないものだから,「じゃ聞かせてもらおうかな」とつい気を許してしまう。その心理
的効果を考えて,コロンボは退室寸前に仮定を持ち出したりする。

 英語では,事実と仮定は大きく分けられるので,話は進む。

 ところが,日本ではこの種のassumption (仮定)はあまり使われないので,「てめえ,サッをなめるんじゃない。 もうお前が暴行魔だってことはわかっているんだ。まだ泥を吐かね
えのか」という形でゲンコを振うか,それとも「埴生の宿」を歌いながら,「なあ,大久保,お前にもお袋がいたっけな……」と涙の説得を続けるかのいずれかである。

 いずれも知的ではない。欧米の刑事はもっと科学的に思考する。

 科学的思考には次の8つのステップがある/

 1. どこから調古を開始するか決定

 2.問題の所在を決定


3。関連事項を観察
4.これまでの知識の応用
5.解説的仮説の作成
6. 仮説に関辿した想定
7.想定された事実が本当かどうか決定するための仮
 説の検証
8,仮説が確認されたか,否定されたか結論づける。

『上級をめざす英会話』松本道弘著より