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日常会話のロジック

 

 ここまでのステップを通らねば,そう筒単に容疑者(suspect)を犯人呼ばわりしてはいけない。 ところが,その場の“空気”で勁く日本では,なんとなく犯人だと思えば,容疑者の段
階から,サン抜きで犯人呼ばわりしてしまう。平気で「やらせ」番組をさせるテレビ局でも,警察でも暴力団のような形になりやすい。コロンボは相手が犯人であるということが判明す
るまで,無罪の人物であるかのように相すに接する。

 カッコの中は必ずしも必要ではない。 というのは,to allege とはto state or declare without proof or be-fore finding proof という意味だからだ。

 証拠なき議論は無効(Arguments without proof are invalid.)であるから,コロンボは最後まで知的に,そして科学的に推理を続けるのだ。

 Supposing that Marx had been born in Brazil,might it have been possible for him to write“Capital”?ぐらいの英語なら,茶帯英語の使える人なら書けるが,
果して知的な日常会話で使えるだろうか。

 もし,この種の英語が外国人と日常会話で使えれば有段者であることは間違いない。

 Assuming that your blood theory works in Japan, will it also work with American Indians who are predominantly type-0 I〕lood?

 (もし,あなたの血液型理論が日本で正しいとすれば,ほとんどO型ばかりのアメリカのインディアンにも当てはまるのでしょうか)

 If the sound of a cricket, as many Japanese believe it is, is a noise to Westerners' ears, am l a gai-jin or a Japanese? It's music to my ears.

 (もし,多くの日本人が信じているように西洋人の耳にはこおろぎの声が雑音に聞こえるとしたら,私は外人でしょうか,それとも日本人でしょうか。私にはこおろぎの声は音楽に聞
こえるのですがね)

このように,日常会話の時ですらifとかassumingとかsupposingという黒帯英語をふんだんに使い,議論をした, devil's advocate を演じたり,お互いの仮説を検証しあい,会話を進め
ていくことになれば,有段者である。知的議論はケンカにならない。 ところが,白帯英語の使い手は,ややもするとロジックが使えず¨l thinkyou've done it. l don゛t know why,
but l feel it.” (あんたがホシだと思う。証拠がないが)という調すでロジック抜きで断定してしまうので,相手の外国人を「無礼なジャップめ」と怒らせ,名誉毀損で反対に訴えら
れてしまう。

『上級をめざす英会話』松本道弘著より