英語のパワー

 

 英語を話す場合に,まず問われるのは内容である。よほどひどい発音でない限り,日本人の英語はけっこう通じる。問題は,何を話すのか,という“内容”である。単語が足りないか
ら,と尻込みする日本人も多いが,外国人と1対1贈対面したりして問われるのは,話の内容がネックになっていることが多い。日本語での読書量には自信があり,話の内容に関しては自
信はあるが,英語はどうもぎごちないというのもパワー不足だ。ただ,知識量というパワーのある人は,ネイティヴの速い英語の中で聞きとれた単語をつなぎ合わせ,「ハハーンこの男
はこんなことを言いたいのだな」と推理を働かせるパワーがあるので,まだ救えるが,英語の会話能力はボソボソていどで,一般常識もおぽつかないということであれば,救いがたい。

 英語道でパワーという場合,英語を通じて入手した情報の貯水池が大きく,それをエネルギー化する時に,ダムから縊れ出る水の如く英語で発表できる潜在能力のことをいう。

 もう3,4年経っているので,英語は囗から出ないのではないか,とピクピクしているようではパワー不足である。英語道では,常に英語による情報をインプットすると共にそれをプ
ロセスした知能を貯蔵し,臨戦態勢をとって常にパワーをみなぎらせておくことを勧める。

『上級をめざす英会話』松本道弘著より