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基礎には地道な学習

 

 さて,本書もあくまでスピーキングを扱うものであるから,読者を初段(有段者の入口)クラスのスピーカーに育てることを戦略としたい。

 英語道初段級のスピーカーとはどのていどの力か。目標をイメージとして鮮明に脳裡に描いていただきたい。

 最低ランクの5級は,英語道に入門したばかりで,赤ん坊のような心境である。恥をかくことを恐れないから,スピーキングの伸びはきわめて速い。だが判断力がなく甘えん坊の段階だから,真っ白な紙同様で,いろいろな色に染まりやすく,危険な時期でもある。

 5級の頃といえば,スピーキングに憧れる情熱が最も顕わな時であるから,出版者がこのマーケットに目をつけ,英語の専門家に依頼し,この小魚群をターゲットに書かせようとする。

 次頁の表は,ある英語訓練業者のセールスマンの協力を得て,市販されている英語関連書をしらみつぶしに探し,内容を吟味し,英語道のランクでいえばどの層を夕-ゲットにしたものであるかを見極め,分類したものである。やはり,スピーキング関係の書物が一番多かったが,なかんすく5級と4級に近い5級という初心者を対象とした書物が圧倒的に多い。

 これで,スピーキングに憧れるほとんどの初心者が脱落することがわかる。なぜか。戦略がないからである。もし,私が読者に期待するように英語のスピーキングをモノにする(初段になることをそう呼ぶ)ことを戦略とすれば4,5級はスピーキングから離れなければならない。