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大脳皮質の微細構造

 

 大脳皮質をうすく切って染色してみると、形、大きさの違う神経細胞が層をつくっている。これを細胞構築という。

 標準型の細胞構築を模型的に示したもので、右端から二番目は、神経細胞だけを染めだしたもの、右端は神経線維だけを染めだしたものである。次の六層が区分できる。

 第1層(表在層)-神経細胞はすくない。

 第n層(外顆粒層)-ふ型の細胞が密集している。

 第m層(外錐体細胞層)-中型の錐体状の細胞が多い。

 第Ⅳ層(内顆粒層)-小型の細胞が密集している。

 第v層(内錐体細胞層)、中型、大型の錐体状の細胞が多い。

 第Ⅵ層(紡錘細胞層)、紡錘状の細胞が多い。

 このような層構造は、大脳皮質の部位によってかなり違っており、はっきりした層構造がみられない部位もある。その代表は、大型の錐体細胞が多く、顆粒細胞のすくない無顆粒錐体
型の皮質と、全層に顆粒細胞の多い顆粒型の皮質である。前者は運動を司る領域に、後者は感覚を司る領域にみられる。

 なお、第v層と第Ⅵ層は、運動の発現に関係のある神経細胞が集っている層で、たくさんの神経線維(点線)が下に向ってでている。これに対して、第Ⅳ層は感覚の形成に関係のある
神経細胞が集っている層で。左端の図でわかるように、視床からくる神経線維が、この層で複雑にからみあっている。第1層-第m層は、統合的な働きをする層と考えられている。動物
の大脳皮質では、この層の発達がわるい。

 もっとも、これらの異型の皮質も、発達の途中で、かならすいちどは六層になり、さらに発達するときに。変形したものである。ところが、ある皮質では、発達の途中で心、完成した
らのでも、六層の標準型にならないものがある。これを異皮質とよび、発達の途中で六層になるものを同皮質とよんで区別している。人間の大脳皮質では、大部分(九○%以上)が同皮
質で、異皮質は、梨状葉と海馬と歯状回だけである。梨状葉は、動物ではよく発達しているが、人間では、大脳半球の内側底面へ押しやられている。人間の脳では、外側嗅回面,下は内
側面と海馬回の大部分がこれに属する。この領域の細胞構築は、一応六層になっているが、神経細胞の形や種類が、同皮質とは違っている。

 海馬と歯状回は、組みあって一つとして働いている。人間の脳では同皮質にすっかりつつみかくされている。この皮質の細胞構築は三層である。からみると、同皮質は新皮質に、旧皮
質、古皮質は異皮質に相当する。なお、梨状葉を旧皮質、。海馬と歯状回を古皮質とよんでいる。                            

 以上述べたように、大脳皮質の細胞構築は、場所によって違っているので、この違いを目安にして、大脳皮質を区劃する試みが古くから行なわれている。ブロ、ドマンは五二区域にわ
け、それを番号であらわしている。ブロードマンの脳地図という名前で広く使われている区割法である。