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日本の大学教授の給料は安い

 

 とは言ってみたものの、以上のデータはアメリカのデータだ。というわけで、日本のデータも少しだけ書いてみよう。ます、鷲田小弥太先生は以下のように言っておられる4)。

「はっきり言って、(大学教官の)給料は安い」

 「大学教官の給与は20~30代が想像を絶して安く、40代で世間並みに近づき、50代が頂上で、60代は上がらないが高原状態を維持する」(傍点は筆者)「東京の私立で、4
5歳の教授の年収が1000万円とするなら、東大の45歳の教授は800万円というのが相場である」というわけで、日本の大学教官の年収はそれほどよくはなさそうである。ただ、
UCLA医学研究科のダイアモンド教授は誰にとっても重要で、しかも関心が高く、自分のはよく知っているのに、他人に聞けないことが2つある。1つはセックスの
ことで、もう1つは年収である」、といっている5)、だから 、日本の友人や知人に、「年収いくら?」と聞くことはできない。

 仕方ないので上記の収入額を日本の大学教官の実態としよう。そして、突出した学問的才能をもち、すばらしい研究成果をあげても、日本では、年収額アップを所属大学と交渉するシ
ステムはない。原則的には副業も(したがって副収入も)禁じられている。自分でベンチャービジネスを行なえるシステムも、最近までは全くなかった。つまり、研究のスーパースター
であっても、アメリカの一部の大学教授のような高収入はありえない。

 ところで、たまたま手許にある1998年12月23日の朝日新聞を見ると、日本の野球選手の年俸に関する記事がでていた。読売巨人軍にとって’98年はプロ13年間で最低の成
績だったけど年収3億3000万円の契約を果たしたとある。横浜ベイスターズ・佐々木投手は4億8000万円だと推定されている6)。日本では、スーパースター級の大学教授でさえ
、スポーツ選手の数十分の1の収入である。

 もっとも、鷲田小弥太先生は大学教官のよい面を次のように指摘している。

 「生きる糧の道を決定せすに30歳までうかうかと過ごすことができ、職をもった後も、年間280日を越す労働日にこそ、自分が長年研鑚してきた研究に打ち込める、ないしは、何
もせすにボーツと過ごすこともでき、高齢になっても十分な収入とほば楽しみに近い「仕事」が保証され、世間上の評価も低くない」。だから悪くはないよ、と。

    こうは書いたが、不肖・ハクうク、働かなくてもいい日が年間280日もあるこの状況は、大学教官にとって悪くなくても、日本社会にとっていいとは思えない。変えたほうが
いいと思っている。大学教官や研究者の収入は、成果に応じた歩合制にしたほうがいいと思っている。

 大学教官が損か得かはおいておくとして、日本は、博士課程の入学定員の倍増計画がほば完了し、現在はポスドクを大幅に増加させつつある。ポスドクを出た「バイオ」研究者に、こ れからも果たして、大学教官のポストはあるのだろうか?

不肖ハクラク著より