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バイオテク世紀がくるのか?

 

  カリフォルニア大学ロサンゼルス校のキャンパス内にアッカーマッスホールという大学生協みたいなところがある。そこの大きな本屋さんで、ジェレミー・リフキンの『ハイテク・
センテュUT』5)という本を見つけた。買おうとしてレジにもっていくと、40代の女性店員が[その本は今日入荷したんです]という1998年4月1日のことだった。

 その2日後の’98年4月3日、ロサンゼルスのアパートでテレビを見ていたら、前に書いたように、その本の著者ジェレミー・リフキンがニュースに登場した。「リフキン氏が、ヒ
トと勤物とのキメラ生物をつくる製法特許を申請した」と、テレビニュースで取り上げていたのである。さらにその3日後の’98年。 、ロサンゼルスから東京に帰ってきた。その帰
国便の機内で配られた日本経済新聞に、ジェレミー・リフキンのキメラ生物について、「日本でも特許出願へ」というタイトルの記事が目に飛び込んできた。

 ジェレミー・リフキンとは何者なのか?彼はワシントンにある民間研究所の所長である。科学技術(特に、コンピュータとバイオ)を経済問題や社会問題の面から分析し、政府や企業
コンサルタントを務める一方、10冊以上の著書を出版している社会活勤家である。

 ジェレミー・リフキンは「ハイテク・センチュリー」で何を問題にしているのか

 ここ20年ぐらいの聞に、遺伝子操作技術とコンピュータ技術が研究室から一般社会にでてきて、産業界だけでなく普通の人々の生活と人生に大きな影響を与えはじめている。このこ
とを[ハイテク世紀の到来]と人々が呼んでいるが、科学技術の発展と人間社会との擦り合わせが、きしみ出していることを問題にしているのである。たいした研究成果をあげていない
。自分の行なっている「バイオ」研究が人間社会にどのような影響を与えるのか、その方向の見定め方にとまどっている「バイオ」研究者は、自分の研究のビジョンとその研究成果の及
ばす社会効果をイメージしにくい時代なのである。

 問題の1つである[ヒトと生物の牛メラ]は前節でふれたのでそれ以外の点について述べてみよう。