「アメリカに家を買うと日本に帰れる」というジンクス

 

  「本当はネー、日本に帰りたかったんですよ」、と野水さんはおっしゃる。

  「NIHには8年ルールというのがあって、8年たったら、NIHテニュア(NIHの終身在職権)をとってNIHに残るか、そうじゃなければ出ていかなきゃならないんです。NIHテニュ
アをとろうとしたんですけど、難しくてできませんでした。それで仕方なく、日本に就職先を見つけて、日本に帰ろうとしたんですけど、結局、カナダのモントリオールに行く
ことになっちゃいました」モントリオールに行くのがあまりうれしくない様子である。学会でモントリオールに行ったことがある。伝統ある美しい街であった。野水さんは、「夏
はいいけど冬は寒くて外に出れないですよ。それに日本人は2000人しかいないし」、という。

 「数年前にワシントンD.C.郊外に自分の家を買ったんですよNIHの日本人では、『アメリカに家を買うと日本に帰れる』ってジンクスがあるんですけど、ボクの場合、うまくい
きませんでした]。アメリカに家を買ったら日本に就職先が見つかった日本人研究者の名前を何人か挙げてくれた。

 「ところで、このあいだ先生のテレビ見ましたよ。『所さんの目がテン』に出ていたでしょう。日本の番組をワシントンDCでときどきやってるんですよ」、という。

 、5~6年前にテレビに出演したことがある。そんなことすっかり忘れていたけど、まさかこんなアメリカで見られるなんて、オドロイタ。野水さんは楽しく愛すべき人であ
る。モントリオールでも、日本人研究者のソーシャルワーカーとして活躍されることを願っている。