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医局はヤクザの“組”

 

  「アメリカの研究者社会で最近何か変化を感じることがありますかワ」、と伺った。

  「正確さは6~7割ですが、ビル・クリントンはNIHをしめっけようとしてます。いままで生物医学研究に莫大な投資をしてきましたけど、その見返りが少なすぎよした。例
えば厂‘癌制圧"といってアメU力政府は大きなお金を使ってきましたけど、思ったほどの効果がない。アメリカ政府は、いよまでのやり方が問違っていたと考え始めています。
それで、科学研究の組織を組み直して、今度こそ効率よくお金を使おうとしてるようです。エイズとか癌とかコ可かおいしそうなキーワードだけで研究費をもらうやり方は、今
後、むつかしくなるでしょう」

  アメリカから見た最近の日本のバイオ研究への感想も伺った。

  「ワタクシは近い将来日本に帰りたいと思っていよすが、日本の科学研究は絶望的です。何が悪いのかといわれても、悪い点が多すぎて、いちいち挙げることはでき
ません。すべてが悪いといっでもいいほどです、といっでも、システムが違うのだから、アメリカのやり方をそのまま日本でやることもできません。むしろ、アメリカのシステ
ムをそのまま日本にもちこんではいけないのです」

 ビシバシと答えていた匿名氏の話が、ここで逡巡した。

 「ワタクシの話は厳しいかもしれま廿ん。だから匿名にしてください」と眉根を強くよせる

 日本の医学部出身者は、大学を卒業後も、かつて在籍した母校の研究室(医局という)としっかりつながっている。医局に忠誠をつくすかぎり、就職などのいろいろなサポー
トが受けられる談合一なれ合いの社会なのである 海外にいても、日本の母校の医局への所属意識がしっかりとあって、それはまるでヤクザの“組”(スンマセン例が悪くて)
みたいである。そして、海外のどこにいても、日本の“組の掟”を異常な|まど気にする医学部出身研究者は多い。もちろん、このシステムには、こういう異様さだけでなく、い
い面もある。

 「日本はタテ社会なんです。教授のいうことが絶対です。一度、職につけば、そのまま昇進していきます。これが問題です。また、東大や京大が裏で取引をして、研究費をも
っていってしまう科研費も問題です。研究費の配分は、もっとオープンに、がうス張りにしてほしいものです。ただ、研究のできるところに重点的に研究費をあげるのはいいこ
とです。地方大学の医学部は、地域医療のまとめ役と地方医師の育成が大きな仕事です。そういうところに、世界の堡先端の研究をさせようとしても仕方がないと思います。弱
小大学に金をまくのは研究費の効率が悪いだけです。日本はとても貧乏な国なのです」