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英語が「外国語」から「第二母国語」になる

 この第四ステップを実践するうちに、英語が「自己発展」する現象が起こる。目に入り、耳に聞こえるすべての英語が、頭の中に用意された「英語の部屋」に自動的に入力され、自動分類されて、貯蔵されるのである。その後、あなたの英語力は自分でもびっくりするほどの加速で伸びていく。

 

 この段階になるとCNNのニュースを聞けば時事英語に強くなるし、法廷映画やドラマを見れば、論理的で分析型の英語により精通するだろう。小説を一冊読み終えればグンと文学的表現力が増し、エッセイを読めばアメリカ人の心理がさらに理解できるようになるだろう。このように、第四ステップはいわば英語に間する総体的なデータベースを構築する時期だ。したがって情報が多様であればあるほど、より体系的なデータベースが構築できることになる。

 

 だから可能であれば、第五ステップに移ろ前に、アメリカのテレビの一口分の放送番組を手に入れて、それを通して見てみるといい。ニュース、ドラマ、CM、対談番組、映画、お笑い番組など、一般のアメリカ人がふだん見ている番組に接することができるため、映画では十分に理解できない、彼らのより日常的で詳細な生活や心理が追経験できる。とりわけCMやお笑い番組は役に立つ。

 

 CMには、見る人の心を短時間で効果的にとらえる工夫が凝縮されているため、喜怒哀楽などアメリカ人のアクチュアルな感情の機微を推量するのには格好の材料となる。また家族ドラマ番組は彼らの日常をカリカチュアしたものが多いので、家族の生活ぶりなどをきわめてわかりやすい形で垣間見ることができる。

 

 こうして第四ステップを十分にこなせば、習得した「英語に映像がついてくる」現象が現れてくる。たとえば、あなたが「I'm sorry」とあやまるとき、相手の表情や彼がいわんとする言葉までが、おのずとあなたの脳裏に浮かぶようになり、i love youというときには胸の高まりを覚えるようになる。腹が立ったら思わずと叫んだり、foolishと悪態を吐き出すようにさえなる。いわば英語の音声と文章に自分の感情が接ぎ木されるわけだ。

 

 この情緒と言語の一致は、一般には「母国語」以外には起こらない現象だが、私のノウハウでは、それが外国語でも起こるようになる。そのときから、自分の囗から出る英語に十分な自信が生まれ、外国語を母国語のように流暢にしゃべらている自分にそそがれる他人の驚きに満ちた視線、それをかえって奇異に感じるようにもなるのだ。「おれの顔に何かついているのか?」。そして、ああ、英語のせいだと気がつく  こうなると、英語は。外国五回から。第二母国語”になるのである。

 

 もちろん、そうなっても意味のわからない単語はある。しかし英語が外国語であったときには、条件反射的にとにかくその単語の意味を知りたくなったのに、第二母国語になりつつある段階では、はじめて耳にする単語であっても、自分なりに意味を類推して先へ進むことができるようになる。そして全体の文意から推し量って、「その単語はこういう意味なんじやないか?」と。正しい見当”をつけられるようになるのだ。

 

 英語が外国語のレベルの人は、文章の一つひとつを神経を使って聞こうとし、話そうとするのですぐに疲れてしまう。それで話し相手と早く別れたいと思ったりもする。ところが、英語が第二母国語と化した人は話に夢中になって時間のたつのも忘れてしまう。二次会、三次会もどんどん行こうという勢いである。アメリカ人と冗談や相談事、人生の悩みなどまでが無理なく打ち明け合えるからである。

 

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より