テレビドラマや討論番組も教材にピッタリ

 さて、この第四ステップで、映画以外に使用できそうな教材をあげておけば、登場人物が決まっていて、似たような状況がくり返されるシリーズもののテレビドラマなどもいいだろう。映画のビデオをある程度見たあとなら、こうしたものを活用するのも効果的である。その場合、アクションやスリラーものよりは、やはり日常生活を舞台にしたホームドラマのほうが適している。

 

 なぜならそこには、いろいろな年齢層の人物が登場するうえ、さまざまな日常生活のパターンが織り込まれており、現実の生活や家庭に起こるのとまったく同じ問題が生起するいっぼうで、まったく異なる葛藤も生じる。おまけに、その気になれば、それらを解決する方法まで学べるから、いろいろな意味で利点かおるのだ。むろん日常会話を学ぶのにも適している(ちょっと飽きがくるのが欠点だが)。

 

 こんな意見もあるかもしれない。

 

 テレビ番組なら、CNNニュースを聞くほうがいいんじやないか。最新の英語が聞けるし、時事ニュースにも明るくなる。話題もバラエティーに富んでいるから、語彙も豊富になるはずだ」

 

 一理ある話だが、この方法では、ニュース報道ふうの英語のクセがついて、何を話してもキャスターやレポーターのような言いまわしをしてしまう危険性がある。それに、短いセンテンスが主なので、長い文章を話す訓練ができないという欠点もある。

 

 私のノウハウの目標の一つに、自分の意見を少なくとも一分以上述べることができる英語力を備えるということがある。その点で、最適なのはトークショーや対論などの討論番組である。最初は基礎的なものから始めて、力がついたら本格的な討論プログラムを聞き取るようにすればいい。こうした討論番組では、自分の意見や主張を上手に表現する方法をもっとも直接的に学べるので、英語習得の目的がそこにあるのなら、初めから、それを活用するほうがいいかもしれない(ただ、やはり飽きやすいのが欠点)。

 

 高水準で格調高い英語を、おもしろく、ディベートふうに学びたければ、いわゆる法廷映両や法廷ドラマがいいだろう。緻密な論理を用いて分析し、結論を導き出す弁護士や検事の英語表現、豊富な語彙の駆使はたいへん参考になるはずだ。そういう英語に習熟したら、どんなアメリカ人も囗をそろえて、あなたの言語水準をほめてくれるはずである。

『英語は絶対、勉強するな』チョン チャンヨン著 (定価1300円)より