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ADHD(注意欠陥)の発症年齢および発生率

 ADHD(注意欠陥/多餘葭障害)の発症年齢および発生率について触れてみたいと思います。発症年齢は、7筬以前と診断基準(中根ら、 1994)ではされています。通常生後5年以内に生じますが、 3、4歳まではどの子どもで払少なから子多動の傾向がありますし、注意の持続を求められるような場面があまりないため、4~5歳以下の子どもでADHDとの診断を下子のはとくにむ子かしいと考えられています。逆に幼稚園・保育園に入園して注意の持続を要求される課題場面や、集団の中で静かに座っていなければならないという場面に遭遇してはじめてADHDが疑われることが多くあるわけです。

 発生率は一般的には、学童の3~5%がADHDと考えられますから、20~30人に1人と考えて、クラスに1人か2人はいるという計算になります。男女比は、4:工ぐらいで男の子の方が多いのが特徴です。日本では、国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保健部部長の上林靖子先生たちが1993年に行った子葉県でのアンケート調査(対象は4~↓5歳)では5%ちょっとの子どもにそうした症状が認められ、診断基準を満た寸のはやはり3~5%ぐらいではないかと推定される(上林、2000)そうです。

 薬物療法は、通常は療育的な対応だけではうまくいかない子どものヶ-スに6歳以上(かつ体重も17~18kg以上)で用いられることが一般的です。中枢神経刺激薬としては、メチルフェニデートリタリン)が多く処方されます。この中枢神経刺激薬は、60~70%のADHDの子どもの不注意や多動に効果が認められ、服用して30分ぐらいで効き始め4~5時間は効果が持続します。中枢神経刺激薬で効果がない場合は、抗うつ剤ADHDの子どもに効果があるとされている薬を使用したりもします。また、6歳より低年齢でどうしても服薬が必要なケースや衝動性が強かったり、あるいは脳波異常があったり、てんかん発作があったりする場合は抗てんかん薬などを感情や情動面のコントロールの目的で使用することもありますが、幼稚園や保育園に通うADHDと診断された子どもの場合は、年齢的なこともあり、著しい生活上の不適応行動がなければ、あまり薬を使用しないのが普通です。たとえば、メ子ルフェニデートの6歳未満での使用については原則禁忌とされています。

 薬物療法では期待できる効果は限定的であり、補助的に使用するに子ぎません。対応の基本は本人にとってわかりや子く、集中しや子い環境を凖備することです。日常の身辺自立の習慣や社会性のトレーニングもわかりや子く具体的に教えるようにしていくことが大切です。指示の内容は単純かつ具体的にすることが必要です。たとえば、「なにやってんの! そんなことしてると遅れるよ!」とか「どうして何度も言ったことができないの」「ちゃんと片づけないとなくなっちゃうよ」と叱りながら指示するのではなく、[このシャツをいますぐ着なさい]「そのおもちゃはこの引き出しにしまいなさい」と落ち着いて明瞭に言っていくことが必要です。また、視覚的な認知に大きな問題がない場合には、ADHDの子どもの多くは、耳から指示を聞くよりは、目で見て理解する方が得意(セリコウィッツ、2000)ですので、口頭で指示するだけでなく、実際の物や絵・写真を使ったり、指さしや文字、動作で示してあげることがより効果的です。たとえば、スケジュールを紙やホワイトボードに書いて示したり、おもちゃの種類別の片づけ箱を用意したり、タイマーをセットして終わりを明確にするなどの工夫が有効でしょう。