短文-一五〇〇字

 

二五〇〇字」は、一行四〇字で三〇~四〇行程度、四〇〇字詰めの原稿用紙でいえば、三~四枚である。ワープロで書いた文章を標準的な設定でプリソトアウトすると、A4一枚がほぼこの長さになる。

 通常は、この長さの文章を「短文」という。新聞の論説や、雑誌の連載エッセイが、それである。週刊誌サイズの印刷物の場合、この長さでだいたい一ページになる。入学試験や就職試験の長文読解問題で出てくるのが、この長さである(つまり、試験では、本書でいうフラグラフ)を「短文」と呼んでおり、「短文」を「長文」と呼んでいるのである)。

 短文では、あるメッセージについて、首尾一貫した論理展開ができる。ただし、反対意見などを詳しく紹介して反論を書く余裕はないだろう。つまり直線的な論理展開しかできない。なお、この程度の長さのエッセイは、問題点の指摘だげで終わって、答えがなくてもよい。

 以上で述べたことからわかるように、試験の準備であれば、作文は一五〇字の文章を、解は一五〇〇字の文章を、それぞれ対象とすればよい。

長文章法:野口悠紀雄著より