成功したいなら1週間に70~80時間働く
スーザン夫人が炒めてくれた大きなエビを食べながら、「どんな調査研究をしているの?」、とケンが聞く。
「ウ~ン」自分でもまだよくつかめていない。そのころは暗中模索だったのである。
話題がポスドクの研究姿勢に移っていった。
「そういえば、あるころから、日本人のポスドクが土日にパタリと来なくなった」、とケン。
「日本でも,土日に大学に行くと,学生・院生はいなくて中年の教官ばかりですよ」、と 。
「土曜の午前中に研究室を巡回してだけど、アイラが帰るとポスドクも帰っちゃったよ)、と笑いながらケンが昔話をする。
「ヨシ・シュレシンジャーって知ってる?彼はすごい手を使うんだ。日曜日には、研究室にピザをたくさん用意するんだってさ」。クックックとケンが笑う。
「ペニー・ガイガーはもっとすごいんだ。ポスドクとディスカションする時間を、夜の10時とか11眄とかに指定しちゃうんだってさ」、クックック。
どこまでが冗談で、どこまでが本当の話か、よくわからない ケンはおむしろい話が大好きだ。
[この間、ボクとかビンダは1週間に70時間ぐらいかな、ヨシは78時間ぐらいかな、そのくらい働くってポスドクに言ったら、ポスドクは目を丸くしていたよ]、とケン。
「もっとも、賢ければ1週間に48時間橄けばいいんだと思うよ」、とケンは続ける。
「そういえば、学部長になったフレツド・マックスフィールドは、ポスドク時代1週間に48時間しか働かなかった、という話ね。とてもすばらしいじゃない」とスーザン夫人
。
「いやいや、ポスドクが終わってから学部長になるまでは、1週間に80時間ぐらい働いたんだってさ」、とケン、
「まー、がっかり」、とスーザン夫人。
*動向:最近の若い研究者は土日および夜は働かない